249)ごまかさないところ
アニメ映画『かがみの孤城』を見てきた。原作は未読で、監督が原恵一ということは知っていた。原恵一は『エスパー魔美』(1987-89)で知って、第18話「サマードッグ」で一目置いていた(最後に流れるワグナーの《ジークフリート牧歌》が印象的だった)。
『かがみの孤城』について少し触れると、個々の問題は世代を超えて存在するが、お互いが助け合うことで生きていける、という青少年向けの内容で、それを上手く伝えていたと思う。別に謎解きの話ではないだろう。
しかし、原恵一らしさ、とは一体なんなのだろうか。たとえば、押井守や湯浅政明らと比較すると特徴が掴みづらい。でも、原が監督した作品は確かに面白い。思うに、問題に正面から向き合う、つまり、ごまかさないところに原らしさがあるのではないか。
原作品のうち、『カラフル』(2010)と『百日紅』(2014)はまだ見ていないので、機会があればそれらも見たい。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)は数年前にやっと見た。
2023-01-06