245)病床使用率が49.9%を超えないが
石川県で新型コロナのバジリスク株が流行している。石川県が発表している「県内の患者発生状況」で、石川県の新型コロナの感染者をみると、45週(11/7-11/13)は5216人だったのに、49週(12/5-12/11)では8600人と、約1.65倍に膨れ上がっている。日で見みると、一昨日13日は2109人、昨日14日は1758人、今日は1460人。直近一週間だと9497人(!)である。
感染者が急激に増加して気になるのは、病床使用率である。石川県が公開するモニタリング指票を引用する(石川県の感染状況等に関するモニタリング指標について)。
項目 | レベル1 | レベル2 | レベル3 | レベル4 | ||
感染要注意 | 感染拡大注意報 | 感染拡大警報 | 感染まん延特別警報 | 感染拡大緊急事態 | ||
医療負荷 | 病床(523床)使用率 | 20%未満 | 20%以上 | 30%以上 | 50%以上 | 80%以上 |
(105床未満) | (105床以上) | (157床以上) | (262床以上) | (419床以上) | ||
重症病床(41床)使用率 | ― | ― | ― | 50%以上 | 80%以上 | |
(―) | (―) | (―) | (21床以上) | (33床以上) |
表をみると、病床使用率が50%を超えるとレベル3「まん防」になるようだ(重症病床率も50%を超えなければならないかも)。では、県が発表している病床使用率と療養状況を見てみよう。
項目 | 12月15日 |
運用病床使用率(523床) | 47.8% |
重症運用病床使用率(41床) | 9.8% |
1 | 入院 | 確保 | 523床 | 使用 | 250名 |
うち重症 | 41床 | 使用 | 41名 | ||
2 | 宿泊療養 | 確保 | 630床 | 使用 | 60名 |
病床利用率は47.8%。たしかに、250 / 523 * 100 = 47.8なので合っている。しかし、そこに宿泊療養の人数を足すと310 / 523 * 100 = 59.2となり、余裕で50%を超過してしまう。それを踏まえた上で、直近一週間の病床利用率を見てみよう。
項目 | 12/8 | 12/9 | 12/10 | 12/11 | 12/12 | 12/13 | 12/14 | 12/15 | |
1 | 病床使用率 | 48.9% | 48.4% | 48.9% | 48.0% | 48.9% | 49.9% | 48.4% | 47.8% |
2 | 重症病床使用率 | 2.4% | 2.4% | 4.9% | 7.3% | 7.3% | 7.3% | 12.2% | 9.8% |
50%弱が続いており、中でも13日は49.9%(!)である。でも50%は絶対に超えない。病床数を増やしたり宿泊療養に回すことで、病床使用率を調整しているのではないか、と勘ぐってしまう。ちなみに、このような数字を統計で扱う場合、正確な値じゃないと無意味どころか誤った結果につながるけどその辺分かっているのだろうか(まあ分かってないでしょう)。
2022-12-15