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金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


235)AI=教師あり学習

画像生成AIが実用レベルに達したと話題になっている。有名なサービスとして、「Midjourney」「Stable Diffusion」が挙げられる。そして、AIとは教師あり学習である、ということで落ち着いたようだ。まあAI技術者(?)はそんなことどころか知性とは何を指すのか、すら考えたことないでしょうけど。

さて、ネットあげられたAI作品を何点か見た。率直にいって子供っぽい。ホッパーとキリコとセザンヌを足して10で割ったようで目指しているのはベクシンスキーのようでもある。作品からは、知性も教養も感じ取れないし、感情や感覚を揺さぶられることもない。そもそも、絵画作品をパソコンやスマホのディプレイで見ても良さは半減か全く分からないだろう。たとえば、ロスコやポロック、最近だとリヒターなんてまさにそうだ。

画像生成AIの最大の問題は、教師(入力データ)を人間というフィルターで選別され、手法(パラメータ)を人間が文字列で入力し、作品(出力データ)をやはり人間というフィルターが公開/非公開の選別をしている点である。こんなものをAI作品と呼んでいるのだ。画像生成AIの具体的な処理は分からないが、おそらく線画抽出した既存の写真や絵画をいくつかある構図の型に当て嵌めてコラージュしたものに、多重のフィルターをかけたものに近いと思う。

先にAI作品が子供っぽいと述べたが、それは選別した人間の感性に左右されてた結果なのかも知れない。だとすれば、知性や教養が必要なのはAI技術者側である。そして、画像生成AIは、「AIの本質」である「教師データ(=作家)」の登場を阻害するものでもある。その振る舞いはまるで人体を蝕みやがて死に至るウイルスのようである。そして、このウイルスはすでに社会の至る所に現れている。

2022-09-23