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金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


202)最近よく見かける「分断」

分断、という言葉を頻繁に目にするようになった。何かしらの対立構造、たとえば、世代・性別・所得・国籍・人種といった格差から生まれる対立を指していることが多いようだ。一般的に、分断はよくないとされているが、一方で分断は悪いことではない、という論調も見かける。おそらく、分断を統一・統合の対義語として、つまり多様性の意味でいってるのだと思う(でなければどうしたものか)。

また、多くの人がインターネットにアクセスできるようになったことで分断が可視化されただけだ、という意見も見かけた。なるほど、しかし可視化されたことによって、分断がより加速したり先鋭化するのではないか、とも思う。一時期、インターネットを免許性にしたらいい、なんて考えていたが、それこそ分断の始まりだろう。

ところで、元東京都知事の石原慎太郎が亡くなった。これまで散々な暴言を吐き捨ててきただけあって、ツイッターでは、さまざまな文句が書き連ねられていた。これに対して、死者に暴言を言うな、という連中がいた(筑紫哲也や土井たか子の時はどうか)。石原が作り出した分断は、皮肉にも(計算通り?)自身の死すら分断を煽る道具として使われていた。

分断の先にあるは多様性とは正反対の画一的な全体主義だ。分断を煽る連中に利用されないようにしなければならないが、分断自体を防ぐことは不可能だ。たとえば、分断を煽るメディアの「Share News Japan」や「大紀元」に熱狂している連中に何を言っても無駄だろう。だとすれば、多様性を守るためには、不寛容には不寛容で対応しなければならない。というのも、完璧な思想などなく、どこかで調整が必要になるからだ。

2022-02-02