203)いまの空気感を味わえ
海外の動画投稿者が、暴言や差別発言でアカウントが凍結されないよう、「LGBTQ」や「ADHD」などのタグを付けて対策する、という話をきいた。はたしてそれで本当に凍結を回避できているのかは分からない。このようにポリコレにはポリコレを、という話はそう珍しいものではなくなった。
最近、自覚したことがあって、それは気候変動、サステナビリティ、ポリティカルコネクトスといった空気感を味わっている、というものだ。これらはすべて資本主義社会を存続(延命)させる装置であって、その奥に隠れているものは同じだと思っている。資本主義社会の行き詰まりは、格差となって社会全体を暗く覆う。
さて、1980年代に流行したポストモダン系の本を読むと、知識や考え方はなんなーく分かったとしても、なぜそのような考えが出てきたのかよく分からなかった。想像することはできるが、それはあくまでも歴史を振り返ってみればそうだった、という話でしかない(後だから分かることもあると思う)。つまり、ぼくがポストモダンの時代を(大人として)過ごしていたのであれば、もっとすらすらと読めたんじゃないだろうか、と思うのだ。
そんな訳で、今の時代(ポストグローバリズム?)に書かれた人文系の本は、ポストモダン時代の本よりも、ずっと理解して読めるんじゃないだろうか、なんて思ってる。その時の空気感を体が知っているからだ。なんて言ったところで、最近は本をあまり読んでいないのだ。理由は簡単で、本が高すぎて買えないからだ(特にみすず書房)。これが格差である。
2022-02-12