^150）手遅れと言わずに

Qアノン、熱狂的なトランプ支持者たちの総称である。アメリカ合衆国議会議事堂の襲撃事件で一躍有名になった彼らは、トランプが世界を裏から操る悪の組織「ディープ・ステート」と勇敢に戦う正義の存在、と盲信しているのだ。つまりは、絵に描いたような陰謀論者である。

さて、そんなQアノンが集まるParlerというSNSがある。いや正しくは、あったのだ。AppleとGoogleはParlerのアプリケーションの提供を、Amazonはサーバーの提供をそれぞれ停止した。この一連の対応を言論統制だという声もあるが、ただの出禁である。自前でサーバーを用意すればよい。

しかし、Qアノンをただのバカなネトウヨと切り捨ててよいのだろうか。香山リカのツイートを見てほしい（2021年1月10日）。彼らは、「ペロシ議長の机に足乗せて座る自称「白人愛国者」ら、連邦会議会乱入てせ13人追訴」という文章を読んで、「ペロシが逮捕された」と思い込んでいるのだ。そして今も緊急放送システムによるトランプの声明を待ち続けている。

彼らの判断や行動の異常さは、教養や知性の欠如という紋切型の説明では到底納得できるものではない。いい加減なことを言うつもりはないが、統合失調症や軽度知的障害の可能性が多分にあるのではないか、と思い始めている。だとすれば、社会は彼らを手遅れと言わず、寄り添った援助を行う必要があるだろう。彼らを見捨てた結果は、議会議事堂の襲撃と皆が知るところである。

2021-01-12