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金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


300)燃え尽きた楽譜

作曲をしなくなって1年以上が過ぎた。最近は、活動を中心をフィールド・レコーディングにしたとはいえ、あまりに作曲をしていない。作曲に対する情熱が燃え尽きたのだろうか。きっと、今のぼくにとって作曲とは、ただ面倒くさいだけものになっている。

2年前に《deconstruction》という少しだけ大きい編成の曲を書いた。この曲で自分がやりたかったことをやってしまったではないか、と思う。この曲は、対位法/和声法、ポピュラー/クラシック、といったような対立を超えて、それらを両立させた(つもりの)ものだ。だから、曲名を大層にdeconstruction(脱構築)と命名した。もちろん完璧でないし、不満も残っている。それでも十分に満足してしまったのだ。いや、独学という免罪符がそうさせるのだろう。

《deconstruction》

決して音楽それ自体の興味を失った訳ではない。もし、ぼくがバンドでもやれば、それ用に曲を書き下ろすくらいのことはする。それに、ぼくが映像やゲームといった音楽が必要な作品を作るなら、その劇伴も自分で作曲するはずだ。もしかすると、純粋に作曲〝だけ〟ではない表現を求めているかも知れない。そうした中で、作曲そのものに対する情熱が再び戻ることを、少しだけ期待している。

話は変わるが、音楽之友社から池内友次郎の『三声-八声対位法』(1975)と『学習追走曲』(1977)が約50年ぶりに再販される。言葉づかいが現代的になり、またハ音記号がヘ・ト音記号になるようだ(余計かも)。気分次第ではあるが、『学習追走曲』に倣ってフーガを書いてみてもいい。

2024-01-31