182)バスターミナルとほったて汁
金石バスターミナルがいつの間にか建て替えられていた。調べてみると、2013年に建て替えられたようである。一体どれだけ行ってなかったのか。場末感漂うディープなスポットだった金石バスターミナルも、今ではすっかり小綺麗になってしまった。
金沢市の中心から西、犀川の河口付近に金石という港町がある。金の石と書いて「かないわ」と呼び、古くは北前船の寄港地でもあった。今日では、古い町並みが残る地域として、観光地化の推進が図られている。
金石は祖母の出身地だったこともあり、子供の頃はバスに乗ってよく連れて行かれた。40分程度の旅であったが、とても遠く感じたものだ。潮風や乱立する木造の工場群も珍しかったが、何よりも長辺が50mはあろう巨大なバスターミナルがまるで異国のように思えたからだ。
金石バスターミナルは、見事な角丸長方形をしていた。向かう角丸部分には赤一色に装飾された中華料理屋があり、他にもスナックや料理屋などもあった。結局、一度も店に入ることなく終わってしまった訳だ。実は、この停留所は元来は鉄道駅であり、それを流用したため、規模の大きいバスターミナルになったようだ。
なぜ今更こんなことを書いたかというと、偶然、金石バスターミナルについて書かれたサイトを見つけて懐かしくなったからだ。もりさけてんさんという人が運営する個人サイトの「【2021年版】金石バスターミナル(非公式ファンサイト)」である。昔はこのような骨のあるサイトが沢山あったが、ジオシティーズやインフォシークといった無料サーバーの終了に伴ってその大半が消えてしまった。
全く話は変わるが、ふと祖母が味噌を溶いただけの汁ことを「ほったて汁」と呼んでいたことを思い出した。グーグルで「"ほったて汁"」と検索すると、6件だけ表示されたが、いずれも輪島市門前町の「フキノト祭り」に関するものである。実は、10年以上前にも検索したことがあった。その時には、金石のお坊さんのブログが表示されたが、今は見つからない(やはりサーバーごと消えたのだろうか)。
2021-09-08