作曲・指導・C言語・Linux

金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


171)話を聞けば分かるでしょう

YouTubeで配信されているネット番組『令和の虎』の「【1/3】人工知能の陽子さんと量子コンピューターで作曲します!【松本 卓朗・加藤 一徳】[151人目]令和の虎」という回が多方面で話題になっていた。

『令和の虎』は、2000年頃に日本テレビにて放送されていた『マネーの虎』(2001-04)と同じような番組で、一般参加者が虎と呼ばれる出資者に事業計画をプレゼンし、虎を納得させれば高額の出資が得られる、というものだ。

さて、今回の参加者の松本さんは、人工生命の研究者で、スーパーコンピュータの必要性を感じ東京大学理科I類に入ったという経歴を持つ。松本さんがプレゼンするのは、人工知能の陽子さんと量子コンピュータを使って作曲するというものだ。そんな松本さんの発言を少しだけ紹介する。

  1. 脳を3Dポインタでプリントアウトして、ピカピカ光っているから、2^100位で、2^50位の時間で計算できるのではないか
  2. 『星の王子』さまにブラックホールが示唆されており、日本ではナマズの内部にブラックホールがあるので、独自に数式に別用途に組み直す
  3. これを作曲用途として、2^10000程度の計算量で行う

どう思うだろうか。しかし、今回は松本さんについて述べるつもりはない。YouTubeのコメント欄について述べたい。

コメント欄を読むと、松本さんが東大に入った、という情報だけで松本さんの発言をすべて肯定してしまっている人が「とても」多いことに気がつく。松本さんが何を言っているのか分かっていないにも拘らずだ。また、松本さんのコミュニケーション能力が低いことも、理系の天才肌だから、という偏見によって処理されていた。

人の話を聞いて、自分の頭で理解しようとしない人間がこんなに沢山いるんだ、と驚いた。経歴だけでここまで信用するのなら、そりゃ詐欺が無くならない訳だ。ただし、『令和の虎』の視聴者でかつコメントするのが、そういう人ばかりな可能性はあるだろう。

とりあえず、ネット番組は本当にロクなもんじゃない。

2021-06-12