152)今更Gadeget 2ブーム
ぼくの周りで、KorgのGadeget 2というアプリケーションが今更流行りだした。Gadeget 2は、iOS、macOS、Nintendo Switchで利用可能なDAWである。タブレット端末による使用を前提としているので、CubaseやProtoolsといった一般的なDAWと操作感がかなり異なっている。一口で説明するのは難しいが、高度なシーケンサーが付属したシンセサイザー群、とでも言えばよいだろうか。そんなこともあってGadeget 2は、ハウスやテクノといった、クラブミュージックを作るのに特化している。普通のポップスやクラシックを書くのはちょっと面倒くさい。
唐突なGadeget 2の流行には理由があって、ビデオゲームのクリア速度を競う「RTA in Japan 2020」にて、このGadeget 2が種目として採用されたからだ。何をするかといえば、楽器やスケールをランダムで決定し、その条件下で時間内に楽曲を完成させる、というものである。今回、選ばれたスケールが全音と半音が交互に配置されたコンビネーション・ディミニッシュ・スケールというから面白い(作曲的には、モードと呼ぶほうが正しいだろう)。
ぼくは、iOS版のGadget 2がセールで安く売っていた時に購入していた。そして、それを初めて使った。前述したように、普通の曲を書くのは難しいが、メモ程度ならどんなジャンルでもそれなりに使えると思う。今ではその独特な操作感にも慣れてきて、お気に入りのDAWの一つである。なお、無料のGadeget 2 LEというのもあるが、使用できるシンセサイザーが三つと少なく、トラックも三つまでしか作成できないので、まともに使うのは厳しい。
「Gadget2で作った曲」にて、操作に戸惑いながら作った短い曲たちを公開した。
2021-01-23