107)やっと『新聞記者』をみた
話題よりだいぶ遅れて『新聞記者』と『i 新聞記者』を映画館で見てきた。連続上映で4時間座りっぱなしだったので疲れたが、スクリーンで見ることができて本当によかった。『新聞記者』は、既に多くの人が感想を書いているので、『i 新聞記者』の感想を少しだけ述べたい 。『i 新聞記者』は、望月衣塑子に密着したドキュメンタリー映画で、監督をとったのは森達也だ。原作の『新聞記者』により近い内容といえるだろう。
『i 新聞記者』では、辺野古新基地建設問題、伊藤詩織さんのレイプ事件、そしてモリカケ問題にフォーカスを当てている。そして、それらの共通項は、記者クラブでの攻防、つまり望月記者と菅官房長官の戦いである。無視や質問妨害といった異常ともいえる記者会見に望月は怯むことなく挑み続けるのだ。その一方で、森監督もフリーのジャーナリストとして、首相官邸での記者会見に参加すべく、官邸に一極集中する政治報道の構造的問題に立ち向かう。望月の行動が森監督を突き動かしたのだろう。もし、望月記者に悪いイメージを持っているのであれば、是非とも『i 新聞記者』を見てほしい。望月衣塑子は、人々に行動する勇気を与える、英雄的な力を持っている。
映画館で映画を見るのは本当に久しぶりだった。つねづね邦画は画面が暗くて何してるか分からない、と思っていた。しかし、それは自室のモニターでみていたからのようだ。映画館のスクリーンで見ると、暗い画面も何をしているのかはっきりと確認することができた。もう少し映画館に出かけてもよいかもしれない。
2020-02-22