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金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


96)AIのせい/ではない

手塚治虫の『火の鳥――復活篇』、ディックの『ブレードランナー』では、人間が起こした問題の責任をAI(ロビタ、レプリカント)に転嫁され裁かれる。このようなSFで描かれたAIの未来が現実になりそうだ。

東京大学の特任准教授である大澤昇平が「弊社Daisyでは中国人は採用しません」とツイッターで発言した。なんでも、中国人はパフォーマンスが低いので、書類選考で落とすようである。ここまではよくいる馬鹿であるが、大澤は更に一線を越えており「中国人を採用しないのは、AIの過学習によるもの」と釈明した。これは大澤の思想をAIに代弁させる責任転嫁である。そしてそれはAIに責任を要求する、つまりAIに人権を認めることでもある。

とりあえず、今回はAIが裁かれることはなかった。本当によかったと思うし、今回の問題で「AIのせいにするな」といった声も多く見られたのもよかった。というのも、その声は、AIの限界を認めた、つまりAIに自律性などない、と多くの人が認めたことになるからだ。AIを作るのも、データを与えるのも人間である。そこになんら根源的なものはない。原因は捨象され、結果こそが原因であると捏造されるのである。AIとAIエンジンニアの無能さについてはいずれ書きたい。

2019-12-02