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金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


78)投票は無駄ではない

第25回参議選の結果が出た。自民党の勝利であった。自民党の票が他党にもっと流れるのではないか、と期待していただけにがっかりである。これだけ消費税増税を反対しておきながら、なぜ自民党に投票したのだろうか。もはや、オルテガのいう「大衆の反逆」なのだろうか。

今回の選挙でいくつか気になったことがある。すべてを書くのは大変なので、記事を分けて書く。今回は、投票率の低さについてである。

『北國新聞』(19/7/22)によれば、今回の参院選の投票率は、推計48.80%で戦後2番目の低さとのことである(1番は24年前の1995年)。また、金沢市においては、当日有権者数375,827人のうち、投票者数は150,286であった。計算すると、投票率は39.98%である(150286 / 375827 * 100 = 39.98)。これは、金沢市民の有権者が10人いたとしたら、内3〜4人しか投票に行かない、ということになる。もう深刻というレベルを超えて絶望である。しかし、なんでここまで投票率が低くなってしまったのか。

最近、インターネットにおいて、若者が投票にいくのは無駄なことである、という風潮が作られているように感じる。たとえば、元2ch管理人のひろゆきは、youtubeの配信「若者に投票を薦めるのはだいたい嘘つき。」(19/7/16)で、「20〜30代が全員投票に行ってたとしても、40代以上の約40%が投票するだけで全体の5割を超えるので、若者が選挙に行ったところで高齢者には絶対に勝てない」(18:25〜)と発言した。ネット上には、この発言に納得している連中がいるが、とんでもない。この発言には、二つの問題がある。一つは、20〜30代と40代以上とで比較することである。少子高齢化ではなくとも、40代以上の票数が多いのは当然であるということ。もう一つは、若者(20〜30代)と中年以上の政治思想が完全に対立していることを前提としていることで、そんなことはまずありえない。

投票率が低くて助かるのは、組織票だけで戦える政党、つまり体制側である。森喜朗の「そのまま選挙に関心がない、といって寝てしまってくれれば、それでいいんですけれども、そうはいかない。」という発言(失言)を思い出してほしい。投票率が低ければそれだけ都合がよい、といっているのである。すわなち、投票が無駄だというのは体制側の代弁である。投票に行かなかった人は、このような声に騙されず、是非投票に行ってほしい。投票は決して無駄ではない。なお、白紙投票はあまり意味がないばかりか、実質的に現体制を支持していることになってしまう。そうじゃない、という場合には、対立候補にいれると最大で2倍の効果があるので、覚えておいてほしい(これは陣地取りと同じ考えである)。

次の記事では、山田太郎が獲得したいわゆるオタク票について書く。

2019-07-25