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金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


10)疾風怒濤の

ジャック・ラカンの入門書、片岡一竹『疾風怒濤精神分析入門』(2017)を読み終えました。当書は二つの部に分かれており、第一部が「精神分析」とは何か、第二部がラカンによる「精神分析」の理論の解説がされています。なるほど、初心者にとって読みやすい構成になっています。

感想ですが、想像界・象徴界・現実界といったラカン特有のややこしい用語や初歩理論が明快な文章で書かれており、明晰に理解できます。その一方で、治療としての精神分析は古い(科学・医療技術の進歩に取り残されている)とも感じました。著者は精神分析の必要性と効果を説いていますが、それが現状(認知行動療法や投薬を主体とした治療)を表していると感じます。

ところで、著者はなんと1994年生まれ(!)。この若さも明快な文章に拍車を掛けているのでしょう。塚田薫『日本国憲法を口語訳してみたら』(2013)も明快な文章で話題となりました。幅広い層に読んでもらうためには、このようなアイデアも必要かもしれません。

2017-11-07