まちを探検!音の地図を作ろう
本ページでは、ワークショップで作成した、みんなで描き上げたcoconomaカフェ周辺の「音の地図」と、そこで発見したさまざまな「音」を紹介しています。
「まちを探検!音の地図を作ろう」は、2025年8月31日、「coconomaカフェ 夏休み企画 子どものための居場所」の一環として開催されました。本事業は、金沢市の子ども居場所づくり総合支援事業の一環として実施されたものです。
完成!音の地図
完成した地図を公開! 音を「色」「図形」「イラスト」「文字」などで表現!



森山交差点まで
ココノマに届く音

「ボコポコ」。coconomaカフェ前の側溝の上を歩くと、コンクリートのフタが動き、フタ同士がぶつかったり擦れたりする音が聞こえてくる。長い時間の中で、少しずつ隙間ができたのだろう。狭い道なので、車が通っても「ボコポコ」と聞こえてくる。まるで車が通ることを知らせるセンサーだ。
管から滴り落ちてくる

「チョロチョロ」。水が流れ落ちる音がどこからか響いてくる。その正体は、ビル側面に取り付けられた縦管だった。この日は快晴、縦管の中身はなんだろう。室外機の結露水がこの管に集中しているのだろうか。
バス停で待つこと

武蔵方面行きの小橋町バス停。逆方向の森山町行きバス停は、彦三大橋を渡った先にあり、少し離れている。このバス停は町中にありながら、車通りが少なくなる時間帯がある。そのとき、周囲は静まり、ゆったりとした時間が流れている。
《大盛況》とうるさいファン

足を踏み入れると特徴的な入店音が鳴る。正式な曲名は、《メロディーチャイムNO.1 ニ長調 作品17「大盛況」》というらしく、作曲者は稲田康。店内は横に細長くやや狭い。都会のコンビニのような雰囲気が漂う。高音が目立つファンの音が響く中、電子決済の支払い完了音が鳴り響く。
森山交差点とふらっとバス

彦三、山の上、馬場、浅野本町の道が交わる、小さな交差点――森山交差点。近くにはコンビニやバス停があり、市民の足であるフラットバスが走っている。奥には広見が見え、さらに進むと、あめや坂を登って城北大通りへとつながる。すぐ隣には、より大きな森山北交差点がある。地形を見るかぎり、森山交差点の方が古く、森山北交差点はあとから整備されたもののようだ。
大和温泉から公園まで
大和温泉への抜け道

大和温泉の裏手から表側へと抜ける私道がある。入口には「ゆ」と書かれたサインが掲げられており、この抜け道は駐輪場も兼ねているようだ。風がよく通り、涼しげな音が響く。そのなかに、「ザバァーン」「カコーン」という音が混ざって聞こえてくる。熱いはずのお湯が勢いよく流される音は、むしろ涼しさを演出しているかのようだ。
主張の強い自販機

大きな音は、温泉の前に備え付けられた自販機から鳴っている。もしかすると、自販機の背後に室外機のようなものが隠れているのかもしれない。そこへ、「ピシャリ」と音を立てて、おじいさんが大和温泉へ入っていく。その入口に掲げられた「大和温泉」の文字は、意外にもかわいらしいフォントだった。そして、ここは銭湯ではなく温泉なのだと、今さらながら気づかされた。
多様な音を生むブランコ

鎖同士がぶつかり絡み合う音、可動部が錆びて軋む音、ブランコから降りて着地する音。ブランコは、さまざまな音を生み出す。だが、それだけではない。ブランコが生み出すもうひとつの音、それは「会話」である。今にして思えば、ブランコは純粋な運動器具というより、コミュニケーションの場だった。そして、その役割は、今も昔も変わらないように思う。
歯科医院の謎の室外機

大量の空気を送り出すような音が聞こえてきた。どうやら、歯科医院に設置された室外機のような装置が発しているらしい。近くで見ると、一般的によく見かける室外機とは、少し異なる形状をしている。全館空調をこの一台でまかなっているのか、それともまったく別の目的で使われているものなのか。想像が広がる。
高さで音が変わる空き地

あめの俵屋の裏手にある空き地――というより、もはや小さな森だ。耳を澄ますと、虫の声が聞こえてくる。真夏日にもかかわらず、ここだけは秋の気配が漂っている。そして、耳の位置を低くしてみると、草が擦れ合う音がかすかに響く。虫たちも涼しさを求めて動いているのか、それとも、ただ風が草を揺らしているだけなのか。
小橋周辺
飴屋の風鈴

あめの俵屋の入口には、古風で小さな風鈴が取り付けられている。その舌(ぜつ)は、こだわりを感じさせる独特な形をしている。風が吹いたり、扉が開いたとき、「チリン」と少し硬めの音が響く。その音は、風の気配や来客の気配を、中にいる人へとそっと伝えている。
奇妙な室外機

肉屋から、「ガタガタダタタ」という力強い音が響いてくる。音の主は、奇妙な形をした室外機のような装置だった。内部には、フィルターのような板が45度の角度で取り付けられている。振動はかなり激しく、緩んだ金具までもが揺れている。空気を圧縮するコンプレッサーのようにも見えてきた。
ジ・ジジジ

小橋のすぐ脇にある庭から、「ジ・ジジジ」とアブラゼミの鳴き声が聞こえてくる。そういえば、今日はあまりの暑いためか、セミの声をほとんど耳にしなかった。この場所は川沿いにあるうえ、小橋の可動堰も近くにある。他の場所よりも涼しいのかもしれない。
柳と傘

柳を傘でつつく。サラサラとした乾いた音を想像していたが、実際には布同士が擦れるような、ややゴワついた音だった。もう少し風があれば、また違った音が聞こえたのかもしれない。小橋には、一本だけ柳が立っている。その足元には手作りの風車が添えられていたが、今日は回っていなかった。やはり、風がないのだろう。
謎の箱

小橋の横に、謎めいた金属製の丸い屋根の箱が備え付けられている。箱にはハンドルが付いているが、南京錠でロックされている。一見すると郵便受けのようにも見えるが、もちろんそんなはずはない。叩いてみると、「コンッ」とよく響いた。中島用水取水口の通気口のように思えるが、水の流れる音は聞こえず、別の用途のものなのだろうか。
中島用水取水口

小橋の可動堰から落水した直後に中島用水の取水口がある。中島用水の取水口に取り付けられた格子で整流される音だろうか。落水の音に混じって、「ポチャポチャ」と水が動く音が聞こえる。中島用水は、浅野川から分岐したのち、しばらく暗渠として平行に流れ、昌永橋の手前から沖町の方に流れていき、やがて農業用水になる。
小橋を走り抜けろ

小橋の欄干にお盆を当てながら走り抜ける。「カタカタ」という小気味よい音がだんだんと近づき、やがて大きく響く。子どもの頃、傘を欄干に当てて歩いた記憶が蘇る。そして、小橋の上を全力で駆け抜けると、橋が「グワングワン」と揺れた。おそらく3Hzほどの振動で、音としては録れないのが残念だ。
水の迂回路

「ゴォー」と轟音が唸る。まるで滝の音のようだ。小橋の可動堰が上げられたときに水を迂回させるための水路で、迂回した水はすぐ隣の彦三大橋手前で浅野川に戻される。住宅に近い部分には防音シートがかけられているが、この音量だと効果は限定的だろう。
単なる隙間

家と家との隙間には、静かな空間が広がっている。しかし、録音して音量を上げてみると、意外にも様々な音がひしめき合っていることが分かる。背後からは水が勢いよく流れる音が、奥からは室外機の音が聞こえてくる。ぼくたちの耳は、そうした音を自動的に聞き流すことを選んでいるのだ。
そしてココノマへ
流れ続けるラジオ

謎めいた音が聞こえてくる。その正体は、家の外に向けてラジオ放送を流し続けている装置だった。昭和初期のラジオのような音質で、何を喋っているのかは全く聞き取れない。また、掛け時計もあり、特定の時間になると時報が鳴るという。知らずに深夜に通りかかると、少し怖いかもしれない。
壊れかけの室外機

異音を発し続ける室外機があった。モーターのブラシが歪んでいるかのような音がする。この季節の室外機の動作音は、中に人がいるかどうかを、外に否応なく知らせてしまう。しかし、室外機を地面に直置きすると、輻射熱で簡単に壊れてしまいそうだ。
スイカ割り

ココノマの方から歓声が聞こえてきた。スイカ割りだ。スイカ割りは、目隠しをして木の棒を持ち、他人の指示で移動しながらスイカめがけて棒を振り下ろす遊びだ。もちろん、割ったスイカはみんなで食べる。しかし、このとき木の棒はスイカの硬さに負けて折れてしまった。通例どおり、バットで行うのが一番なのだろう。
流し氷見うどん

流しそうめん器は、モーターで水を循環させ、上部のししおどしに水が貯まると一気に流れ出す。「カツカツ」と箸が水路にぶつかり、そうめんを掴もうとする音が響く。あまりの難しさに、参加者たちは攻略法まで編み出していた。この日に流れていたのはそうめんではなく、氷見うどんだった。そうめんより少し太く、言われるまで気が付かなかった。
チラシとワークシート
今回使用したチラシとワークシートです。

