作曲・指導・C言語・Linux

金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。

芸通を卒業するまでの実費

4,711,628円。これは、ぼくが精力的(?)に学習をしていた2012〜2019年の7年間でかかった学費と交通費の総額です。ここには、教職、学芸員、司書といった資格課程でかかった費用も含まれますが、参考資料や雑費といった費用は含まれていません。

費用の内訳ですが、半分以上が旅費交通費です。高額に感じますが、東京や名古屋にある通信大学と比較すると、宿代の分で安く済んだという事実も見えてきます。物価の安い大阪だから470万円で済んだ、と考えるべきかもしれません。しかし、授業によってはリモートで問題ないものもありますから、もっと安くなるべきだと思います。

芸通の学習には想像以上にお金がかかっているな、と思われたと思います。ここに更に図書・資料費といったお金もかかってきます。ただ、程度の差こそあれ、普通の大学でも学費以外にお金がかかります。とはいえ高いですよね。

大学が公開する学費の目安

芸通は、「入学案内・学費」にて、学費の目安を公開しています。それに従って音楽学科の表を作ると以下のようになります。

大学が公開する学費の目安
年度 検定・入学 授業 面接授業(平均) テキスト(平均) 合計
1年目 40,000円 210,000円 100,000円 35,000円 385,000円
2〜4年目/年 210,000円 75,000円 20,000円 305,000円
4年目合計 40,000円 840,000円 325,000円 95,000円 1,300,000円
5年目以降 210,000円 210,000円

さらに資格課程は以下の登録料に加えて、面接授業やテキスト代がかかります。

資格課程の学費
資格課程 教職 保育士 学芸員 司書
登録料 130,000円 80,000円 100,000円 100,000円

上掲した表を見ると、200万円程度あれば、大卒資格と教員免許がとれそうかな、という感じがします。そして、学費という「大学に支払う」お金の話では全くその通りです。問題は、移動代や宿代、つまり旅費交通費です。

旅費交通費がかさむ

以下の話は、石川県金沢市に住む筆者の場合です。大阪芸大までの交通費は、金沢〜大阪(天王寺)間の往復が特急で15,580円、そして、近鉄阿倍野駅(天王寺)から貴志駅までの820円が毎日スクーリングの数だけかかります。また、最終日は天王寺から梅田まで御堂筋線で280円かかります。そしてそこにスクーリングの日数だけの宿代もかかってきます。

例として、和声法1のスクーリング(実技)の前半3日間の場合を示します。宿は天王寺の一泊5,000円を想定しています。

3日間のスクーリングの実費
日程 面接授業費 交通費 宿代 合計
前日 12,000円 15,580円 5,000円 32,580円
1日目 820円 5,000円 5,820円
2日目 820円 5,000円 5,820円
3日目 16,680円 16,680円
合計 12,000円 33,900円 15,000円 60,900円

そして、和声法1の後半もまた3日間ありますから、上記の費用の倍、つまり121,800円(!)かかります。そして、ここに更に食事や飲み会の費用も追加されてきます(スクーリングで知り合った人たちとの食事や飲み会は大切にしてください)。

なお、ぼくが一番スクーリングに行っていた1〜4年生までの旅費交通費は、約120万円でした。ちなみに、石川県は大阪に近い方だと思います。北海道の人は、飛行機を乗り継いで(!)登校していました。しかもその場合は必然的に最終日の次の日に帰ることになります。

【4年間分の旅費交通費】
旅費交通費の合計
1年目 2年目 3年目 4年目 合計
188,287円 269,518円 472,100円 288,799円 1,218,704円

学費の安さばかりに目が行きがちですが、旅費交通費の負担の大きさを十分に把握する必要があります。金銭的な問題から大学を辞めていった人たちを沢山見てきました。

当てにならない奨学金

芸通にも奨学金がありますが、ほとんど当てにできません。給付と貸与がありますが、給付は、高校卒業後2ヵ年度までの方が申請対象ですから、芸通の学生の大半が成人なので基本的に貸与になります。

  1. 日本学生支援機構給付奨学金(予約採用・在学採用)
  2. 日本学生支援機構貸与奨学金

その貸与ですが、一種88,000円と二種20,000~120,000円が1年に一度だけ申請できます。旅費交通費から考えると雀の涙にもならないにも係わらず、返済義務まで生じます。まあ大阪芸大の近隣に住んでいる人は有用かも知れません。

卒業する意思と見込みがあるのなら、日本政策金融公庫の教育一般貸付を利用した方が確実だと思います。金利はかかりますが、まとまったお金が借りられる可能性があります。ぼくが実費のエクセルを印刷した資料を持って相談に行った時は、300万程度は貸せると言われた記憶があります(結局使いませんでした)。

更新情報