3分野制覇を目指す
3分野制覇とは、音楽学科の4年次の「卒業作品・発表」でクラシック/コンピュータ/ポピュラーの3分野を受講することです。筆者は、実質3分野制覇しています。実質、としたのは、提出した課題が事務局によって返送されたからです。そんな3分野制覇を目指す時の注意点や費用について紹介します。
3分野制覇の条件と作品制作3
「卒業作品・発表」でクラシック/コンピュータ/ポピュラーの3分野を受講するには、「作品制作3」で各分野の単位を修める必要があります。たとえば、クラシックの「作品制作3」しか受けてない場合は、「卒業作品・発表」は、クラシックのみ選択できます。したがって、3分野制覇するには、「作品制作3」もクラシック/コンピュータ/ポピュラーの3分野を修める必要があります。
ただし、「作品制作3」を受講するタイミングは自由ですから、次のように「卒業作品・発表」の後に受講するスケジュールも可能です。
3年次・夏 | 3年次・冬 | 4年次・夏 | 4年次・冬 | 5年次・夏 | 5年次・冬 | |
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クラシック | 作品制作3 | 卒業作品 | ||||
コンピュータ | 作品制作3 | 卒業作品 | ||||
ポピュラー | 作品制作3 | 卒業作品 |
3分野制覇の注意点
3分野制覇を目指す注意点として、課題提出と単位認定が1分野であること、4年での卒業を目指している場合は困難なこと、とっても費用がかかること、があげられます。順に見ていきましょう。
課題提出と単位認定は1分野のみ
悲しいことですが、3分野すべての「卒業作品・発表」を受講しても、課題提出はいずれか1分野のみになります。タイミングによってはすべて提出できるかも知れませんが、その場合も単位認定はされません。詳しくは「重複して単位習得できない科目」参照ください。
別の言い方をするなら、作品を完成させるのは1分野だけで大丈夫です。といっても、スクーリングの中で作品を作りますから、どうのこうので3分野すべてほぼ完成まで持っていけると思います。
4年で卒業する場合は難しい
4年で卒業を目指す場合は、3分野制覇はかなり厳しいです。単純に「作品制作3」の課題が増えるだけではなく、スケジュール的にも困難を極めます。2022年のスケジュールで3分野制覇を目指すと次のようになります。
日付 | 科目 |
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06/17-06/09 | 卒業作品・発表1・ポピュラー |
07/29-08/01 | 卒業作品・発表1・クラシック |
08/23-25 | 卒業作品・発表2・ポピュラー |
12/21-23 | 卒業作品・発表1・コンピュータ |
02/02-04 | 卒業作品・発表2・クラシック(東京) |
02/13-15 | 卒業作品・発表2・コンピュータ |
以上から4年間で3分野制覇することは理論上可能です。ただし、3分野のスクーリング受講のスケジュールは、保証されているのか偶然なのかは分かりません。実際かなりカツカツです。なお、筆者の時は、コンピュータやポピュラーも東京スクーリングがありましたが、2022年はクラシックのみになっています。
馬鹿にならない費用
3分野制覇を目指すと「作品制作3」と「卒業作品・発表」でかかる費用が分野の数だけかかります。以下の表は、金沢に住む筆者のスクーリング1回分の実費です。
日程 | 面接授業費 | 交通費 | 宿代 | 合計 |
---|---|---|---|---|
前日 | 12,000円 | 15,580円 | 5,000円 | 32,580円 |
1日目 | 820円 | 5,000円 | 5,820円 | |
2日目 | 820円 | 5,000円 | 5,820円 | |
3日目 | 16,680円 | 16,680円 | ||
合計 | 12,000円 | 33,900円 | 15,000円 | 60,900円 |
「作品制作3」「卒業作品・発表」ともに、3日間のスクーリングが2回の計6日間ありますから、1分野を修得するのに243,600円の費用がかかります。そして、3分野制覇する場合はその3倍、733,800円(東京スクーリング含む)がかかります。
3分野制覇に向いている人
3分野制覇に向いている人は、卒業が遅れても大丈夫、という人です。要するに、時間と金銭に多少の余裕が必要です。筆者は、資格課程で卒業が伸びてしまったので、その合間に3分野制覇しました。
もし、4年間で修めたいのなら、3分野の素養がある程度必要かな、と思います。要するに、作品を早く作ることができる能力とモチベーションが必要です(主に後者)。
北原先生が、最近は3分野制覇している人が増えてきた、と仰ってました。かくいう筆者も、ポピュラーの複雑なボイシングとコンピュータのサウンドアート的思想は「卒業制作・発表」を通して理解しました。そして、卒業作品は、一番苦手だったポピュラーで提出しました。余裕がある人は、3分野制覇も視野に入れてみてください。決して無駄になることはないと思います(単位的には無駄ですが……)。