親鸞会の偽装サークルからの脱退〜金沢大学
以下は、大学で偽装サークルと関わった方の体験談です。本サイトに寄せられた文章を、許可を得て転記しています。非常に参考になる情報です。ご連絡ありがとうございました。
体験談を読むと偽装サークルからの脱退がとにかく大変なことがよく分かります。もし、これが入信まで進んでしまうと、事態はより深刻で更に大変だったと思います。
概要
私は学生で昨年、S会の偽装サークルを脱退しましたが、その実態について少し知ってほしいなぁと思い連絡させていただきました。(ちなみに原理研と思われる自称ボランティア団体が勧誘をしているのを見たという友達がいました。S会以外にもたくさんのカルト団体が大学を出入りしています。)
S会の偽装サークルは所謂、インカレサークルであり金沢大学、金沢工業大学、金沢美術工芸大学、北陸大学といった様々な大学の学生が参加していました。大学の空き教室を使って18時以降に講義をします(新入生はそれをただ聞くだけ)。一緒におしゃべりをしたり食事をしたり、イベント企画を催すなどして信頼関係を築き、数ヶ月といった長い時間を掛けて少しずつ教義を教え、正体を明かします。たまにS会の顧問弁護士や提携病院の医師が公演にきてくれます。
脱退時には学生支援課に相談しました。S会が大学で活動しているのは知っていたらしいのですが、結局のところ学生支援課が勧誘を止めさせたり、大学から追い出したりするのは難しいらしく、入ってしまったら自力で脱退するしかないようです。
今年は『リベラルアーツサークル』という名前で活動していますがサークル名は毎年変わります。ただ、勧誘方法は変わらないので『金大あやiいサークル』といったサイトを見れば、S会の偽装サークルだとわかります。なにせ使っている題材(無色透明の大学生活、秀吉の辞世の句etc)は毎年同じですから。
カルトに入ると精神がボロボロになります。S会は社会人向けの講習会なども催しているらしいので学生ではない人も十分気をつけてください。
長文失礼しました。
勧誘と脱退までの詳細
はじめに私は彼らが「親鸞会」と明かす前に抜けました。
私は4月上旬の新歓に合わせてサークルに入りました。ちなみに先輩に「政治的・宗教的思想を広めるサークルですか?」と聞いたら「違うよ」と返答されました。
4月下旬になると講義の内容に違和感を覚えることが多くなりました。
西洋哲学の話をたまにされるのですが用語の使い方が変だったり、明確な答えが存在しているという認識をみなさんもっていました。加えて、5月に入ると「死」についての講義がちょくちょく入ってきます。その他にも無料で弁護士や医師の講演をきけたり、異常なまでに誉めたり、大学の空き教室を使って活動しているのに公認のサークルじゃなかったりといった不審な点はいくつもありました。
その後サークルを突然やめちゃった新入生がいました。その新入生に詳しく話を聞くと、親鸞会のダミーサークルに所属している先輩とその新入生の兄が友達だったとのことです。そして、ダミーサークルに所属している先輩(仮にA)と面識のある人から『Aとあった時にAから高森会長の本をしぶとく勧められた』という旨の話を聞きました。宗教団体と考えるといままでの不審な点にすべて説明がつき、インターネットであらゆるサイトをみることではっきりと親鸞会のダミーサークルとわかりました。ちなみに以下の情報がネットで調べてわかったことの一部です。
- GW中の合宿の予定地がネットで「親鸞会のダミーサークルご用達の宿泊施設」と書かれていた
- 講演にきた弁護士、医師は親鸞会関係の出版社(一万年堂出版)の著者である
- 「休日にはイオンのマック前集合→近隣の公民館で講義」と掲示板に書かれていたがまさにそのとおりで休日はイオンマック前に集合からの公民館で講義をしていた
- 過去に親鸞会サークルで死者がでているらしい ←ただし、ソースが怪しい(石川学生部員の死亡事故の件について)
GW中にさっそく自分の学科の先生に相談。GW明けに保健室と学生支援課に相談し、翌週に適当な理由をつくってLINEで脱退したいことを伝えることでやめることができました。
相談した時は親鸞会の名前を伏せていたのにも関わらず、学生支援課は親鸞会サークルといっていたので例年こういう相談はあるのだと思います。
ちなみに私たちが受けた講義の内容は以下のサイトにあらかた掲載されています。ほんとうに扱っている題材は例年同じなのでわかりやすい。
http://shingikensho.blog12.fc2.com/blog-category-12.html
最後に私があのサークルが親鸞会なのか調べていた時に、参照にしたサイトの中には「金大あやiいサークル」やネット掲示板の親鸞会・カルトスレに加え、金沢音楽制作さんのサイトもありました。カルト、偽装サークルへの注意喚起をしてくださっていたおかげで大変助かりました。
大学の対応
私の大学では学生一人一人にアドバイス教員が割り振られています。その教員にメールで相談したところ休日にも関わらず、相談すべき大学の機関や対処の仕方などを教えていただきました。
脱退を決めたあとは数か月ほど保健管理センターにて毎週カウンセリングを受けました。脱退支援を経験したことのある先生も在籍しており、カウンセリングを通して、少しずつ回復していきました。ですから、カルト団体から脱退した後は一応カウンセリングを受けることを勧めます。
また、学生支援課にはどうしても脱退できないときなどには学生支援課や大学の方で弁護士を用意し、脱退支援をすることも可能だといわれました。
以上のように大学の機関に相談をすればなんらかのアクションはとってくれます。脱退の手助けもしてくれます。ただ、大学側はダミーサークルを追い出したり、入ってしまった生徒を説得したりはしてくれません。事実、いまでもダミーサークルが大学の空き教室を使って活動していることを確認しています。」
怪しい団体の活動について。親鸞会は今も大学内で活動しています。原理研究会らしき団体はアンケート調査やボランティア団体などを装って近づいてくるようです。また、大学近くに住んでいる友達の家に宿泊したときにはちょうどエホバの証人による訪問勧誘がありました。彼らは自らの団体を名乗るってくれるため対処がしやすいですが、一人暮らしの家を中心に夜にも勧誘をしています。左翼関係の団体も偽装では勧誘していません(大学公認)。
偽装勧誘の注意喚起
先日、学生支援課から以下のようなメールをうけとりました。
「人生の点数」を聞いてくる怪しい団体が訪問してきたという経験のある人は私の学科の中にも数人いました。彼らは自らのことを『家庭連合』と名乗っていたようです。大学内だけでなく大学周辺の家に訪問し、偽装勧誘する団体がやはりいるらしいです。