作曲・指導・C言語・Linux

金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


285)インボイス学習会に参加した話

9月17日、インボイスの学習会に参加してきた。率直にいって、インボイス登録すべきなのか悩んでいる。が、現在のところは登録してない。

まず言っておきたいのが、免税事業者が消費税を払っていないのは脱税や益税と言われるものではないということだ。消費税の納税義務の条件は、前前年度の〝売上高〟が1000万円を超過した場合である。売上高とは、経費を差し引く前の収入のことだ。以上にように、条件を満たすか否かでしかないので、消費税は預かり金でもなんでもない。

さて、インボイス制度が始まっても、免税事業者が無くなるわけではない。もしインボイス登録した場合は、確定申告とは別に消費税申告が必要になる。納税額が経費と相殺して少額だったとしても、消費税申告のための事務作業が増えることになる。確定申告とは別のソフトも必要になる(弥生会計はセットとのこと)。

インボイスの影響を受けるか受けないかの判断は、事業者と取引して収入を得て、かつその収入が事業所得であるかどうかで分かる。たとえば、個人としか取引していない業者は、インボイスの影響を受けないので、インボイス登録をする必がはない。もし、登録してしまうと意味もなく消費税を支払うことになる。

影響を受けるのは、官公庁や企業といった〝課税事業者〟から仕事を請け負っている事業者だ。たとえば、ホテルや企業からロビーや応接間に飾る作品を求められた場合は、インボイスが求められる可能がある。インボイス登録してない場合は、消費税の納税額に相当する額を値引きする必要もでてくるかも知れない。

インボイス登録するということは、免税事業者から課税事業者になることである。ちなみに、課税事業者になっても、免税事業者の要件(前々年度の課税売上高が1000万円以下)を満たしていれば、免税事業者に戻ることも可能だ。

しかし、値引きしたとしても事務手続きが面倒くさいという理由で取引が話し合いによって打ち切れられる可能性もある(一方的な打ち切りは違法)。たとえば、年収(課税売上)が400万円があり、内訳が企業から200万、個人から200万の売上だった場合、もし取引が打ち切れられると年収が半分の200万円が失われてしまう。インボイス登録した場合は、課税額の40万円から経費で支払った消費税分を差し引いた額の消費税を支払うことになる。

値引きを行うに当たって重要なことがある。それは、課税業者が免税業者との取引において経過措置期間が設けられていることだ。経過措置期間とは、令和8年9月30日までの免税事業者との取引に対して、80%の仕入額控除が受けられるというものだ。つまり、令和8年9月までは最大に値引いたとしても〝2%〟でいいということになる。もし、10%値引きしてしまうと、課税業者に8%の利益が発生してしまう。ちなみに、インボイスを理由に一方的な値引きや取引中止を要求するのは、優越的地位の濫用として独占禁止法違反に抵触する。が、実際はどうなるのか分からない。

率直にいって、免税事業者(だけでなく課税事業者)の多くがインボイスを理解できていないと思う。かくいうぼくも勉強会に参加した癖にあまり理解してない。そして、消費者がインボイスの煩雑さ、というよりも異常性に気がつくのはもう少し後になってからのことだろう。どういうことかというと、経費で利用する飲食店や消耗品を購入する店舗をインボイス登録事業者に限られ、自由に選択できなくなる可能性があるからだ。

消費税なくせば全てが解決するので、一刻も早く消費税をなくすべきだ。

2023-10-02