205)作詞奮闘記(4)
今回は歌詞から曲を作るのでなく、以前作った曲に歌詞を付けた。いわゆる曲先である。曲先は、めちゃくちゃ難しかったが、二つ分かったことがある。
まず、詞や状況に合わせたメロディーではないこと。メロディーに合わせた詞を書けばええやん、と思うかもしれないが、転調が絡むメロディーだと厳しい。たとえば、1作目は、ハ長調だが展開部で下属調と属調に転調して世界の広がりを表現した。2作目は、ト短調にハ短調のドリア旋法を混合して漂流感を表現した。3作目は、展開部でニ長調から変ホ長調、ハ長調、イ長調、そしてまたニ長調へとドラマティックに転調して模索や焦燥感を表現している。
もう一つは、歌詞が埋まらない箇所がパズル化してしまうことだ。たとえば、「うつろいゆく 〇〇 の 〇〇○」のように、文字数が固定されている箇所なんか特に大変で、ほとんど総当りで言葉を探した。ぼくは語彙力がないのでかなり苦労するのだ。まあ、自分の曲なので最悪の場合、メロディーやリズムの修正はできるが、他人の曲だったらそうはいかない。音数はともかく、メロディーの改変なんて許されない。
友人にこの曲を聞かせたときに、「久石譲っぽいね」といわれた。その時は、そうかな、と思ったけど音源を作っていて、そうかも、と思った。ちなみに、本来はニ長調とハ短調を行き来するが、音域の問題からト長調と変イ短調を行き来する形にした(嬰ト短調は何か嫌なので変イ短調に)。
2022-02-21