161)声を上げる大切さ
JRは車椅子を乗車拒否するのか。そう声をあげるのは、車椅子ユーザーの伊是名(いぜな)夏子さんだ。伊是名さんは、JRに車椅子で無人駅を利用することを拒否されたのだ。しかし、かなり過激な人だなあ、なんて思っていた。だけど、いろいろな意見を見ている内に無意識の差別があることに気がつかされた。というのも、伊是名さんの言っていること、つまり、要求は至って普通のことだからだ。
ぼくは、どこに行くにしても誰にも許可をとらないし感謝もしていない。もちろん階段なんぞ好き勝手に上り下りしている。それに設計がわるくて利便性が低いと当然キレたりもする。これはいたって「普通」のことだ。だが、障害者からすればどうだろうか。移動を制限され、更には感謝まで要求されるのだ。そしてキレようもんならそう叩きである。
伊是名さんの行動は、障害者の人権に対する社会の意識の差を浮き彫りにした。残念なことに、障害者には人権がなく、健常者の足を引っ張る社会のお荷物だと思っている人がかなりいるように感じた。そんなやつばかりじゃないことは分かっているが。
しかし、この伊是名さん、すごい叩かれようである。過去の言動や動画の一部が切り取られ、叩く燃料にされている。まあ、さしずめネット民は、伊是名さんが社民党の党員であること、女であること、障害者であること、この三つが兎に角気に食わないし面白くないのだろう。
伊是名さんの行動は過激だと思ったのは本当だが、人権獲得の歴史とはこういうものだろう。少なくとも、ぼくは少し意識を変えれたと思う。というか、こんなんでいちいち怒り狂ってる人はちょっとヤバいよ。
2021-04-07