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金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


56)同人音楽即売会に参加するか否か

2019年現在、日本で音楽を主体とした同人即売会は「M3」だけです。M3とは、音楽/音系を専門とした唯一の即売会(所謂オンリーイベント?)で、東京の流通センターで年二回開催されています。類似したものは他にもないわけではないようですが、選択の余地はほぼありません。なお、音系というのは、サウンドドラマや音声データといった音全般のことです。

そもそも同人音楽とは、という疑問が生まれるかもしれませんが、ここでの詳述は避けます。詳細を知りたい人は、井手口彰典『同人音楽とその周辺――新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念』(2012、青弓社)を参照ください。

さて、表題のとおりM3にサークル参加しようか悩んでいました。過去形なのは、不参加で決定したためです。もし参加するなら、以前から興味があった電子音楽(ミュージック・コンクレート)を作るか、ゲーム音楽に関する批評(論文)を書いて本にするかの二択と考えていました。もし、前者ならば環境構築から始めなければならず、間に合わない予感がします。他方、後者であれば比較的簡単に論を展開できますが、同人即売会で発表するのは勿体ないのでは、という思いもあります。

というのは、M3の参加費用(\4,000)を払うならば、どこかの学会に入会してそこに論文投稿した方がよいかも、と考えた訳です。調べてみると「日本デジタルゲーム学会」が良さそうです。なお、前掲した『同人音楽とその周辺――新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念』の参考文献を確認すると同人誌もその射程に入っていたので、当該分野においては一概に同人で発表するのがダメともいえなさそうです。とはいえ、査読での質の保証がされるという意味では学会の方が良さそうですね(俺の文章力的にも)。というわけで、次回以降のM3にサークル参加するならば、電子音楽を作って参加したいと考えています。

興味がある電子音楽の形態に「ライブコーディング」というものがあります。ライブコーディングとはその名の通り、サウンドに関するプログラミングをリアルタイムで行う、パフォーマンス性の高い音楽です。ネットでは、ライブコーディングのためプログラムや関数ライブラリも配布されているようですが、いきなりそれを使ってしまうと、リアルタイム感が失われてライブコーディングとしての意味がなくなるような気がします。というわけで、一から環境構築してみようと思っています。要するに原理的な部分を一応は理解したいのです。

ライブコーディングはLinux上で行う予定です。そこでまずは、端末上からwavファイルを扱えるように、Linuxのオーディオ・ドライバであるALSA(Advanced Linux Sound Architecture)の仕組みを勉強してみようと思います。UNIX哲学に基づいて、小さなアプリケーション群をbashで動かすスタイルにしたいです。

2019-01-17