8)小口研磨は勘弁
本をAmazon等のネットショップではなく、店舗で購入することが増えてきています。本を買う時、あること気にしているからです。それは「小口研磨」がされているか、されてないか、です。
小口研磨とは、その名の通り、本の小口を研磨することで手垢や汚れなどを落とすというものです。研磨された本を一般的に「研磨本」と呼びます。ブックオフといった大型の古本屋では大抵の書籍が小口研磨されて販売されています。実はこの小口研磨は新品の書籍でも行われている場合があります。これがとっても嫌なんです。
小口研磨の嫌な所は、なんといっても手触りの悪さでしょう。ザラザラ、ゴワゴワ、モコモコした小口ではページをめくる楽しさが半減してしまいます。また、本体とカバーのサイズが異なってしまう、小口が膨らむ、ぺージとページが圧着されるなど、枚挙に暇がありません。
新品の書籍において、なぜ小口研磨が発生するのか。これは書籍が出版社に返本された場合に起こる問題です。書籍は通常、出版社 > 取次 > 書店という経路で販売されています。このうち、書店で売れ残った、またはディスプレイされなかった書籍は取次(日販・トーハンなど)に送り返します。そして、取次は出版社にそれら書籍を出版社に戻します(再販制度)。そうして出版社に戻った書籍は倉庫に保管されます。この段階で研磨が行われる場合があります。
現状、小口研磨された本を回避するには、本屋で小口を確認するしかありません。本の小口が汚れるは当たり前です。その汚れを落とすのに物理的に削ぎ落とす「研磨」を行うというのは不可逆的な改造であり、到底納得いくものではありません。必要な人は自分でやれば良いだけの話なんで、早くこの悪習がなくなることを願っています。
2017-10-11