整音の環境構築
2021年3月17日に、本記事で用いるソフトウェアの一つ、Audacityがバージョンアップしました(「「Audacity」が8年ぶりのメジャーバージョンアップ! プロジェクトを単一ファイルに保存」)。これに伴い、ダウンロードもより簡潔なものに変更にされたので、記事も大幅に変更しました。
整音するためには、コンピュータと整音のアプリケーションが必要です。ここでは、Windows、macOS、Linuxの3種類のOSでの環境を構築します。バージョンは、2021年4月段階での最新環境を想定しています。Windows XPやClassic Mac OSといったレガシー環境は想定していません。
本記事と併せて「音楽制作・作曲に必要なもの(デジタル編)」もご参考ください。
整音のためのソフトウェア
整音の定番ソフトには、映像系ならAdobeのAudition、音楽系ならAvidのPro toolsがあります。しかし、これらは高価でかつ機能も豊富なため、初心者や門外漢の人には向きません。
今回は無料で使用可能な二つのソフトウェア、AudacityとPeaperを紹介します。どちらのソフトウェアもWindows、macOS、Linuxと幅広いOSに対応しています。Reaperはシェアウェアですが、無料で使うことができます。
二つのソフトウェアをとりあげたのは、無料というだけではなく、異った特徴があるからです。まず、Audacityは、音声編集に特化しています。一方でPeaperは音楽制作ソフト、いわゆるDAWに相当するものです。基本的な処理は、Audacityだけでも十分にできますが、大きなファイルを扱う場合はReaperを使った方が簡単な場合もあります。
もし、どちらか一つだけをインストールしたい場合は、Audacityをインストールしてください。
ソフトウェアのダウンロード
AudacityとReaperのダウンロードまでを紹介します。スマートフォンを除いた全てのOSに共通する部分です。ダウンロード後は、それぞれのOSのインストール方法をご覧ください。
Audacity
Audacityの公式サイトのトップページにあるDownloadというリンクからダウンロードできます。

Downloadと書かれたリンクをクリックすると、ページが移動して自動でダウンロードが開始します。ユーザーエージェント(使用しているブラウザやOSを取得)で、対応したアプリケーションが自動的に選択されています。

ダウンロードが始まらない場合は、水色で「Audacity 3.0.0.xxx file」と書かれたリンクをクリックします。xxxの部分は、OSによって異なっています。画像ではdmgと表示されています。
Reaper
Peaperの公式ページからダウンロードします。トップページの「DOWNLOAD PEEAPER」をクリックすると、ダウンロードページに移動します。

使用しているOSとCPUを選択してダウンロードします。Windowsに2種類、Linuxに4種類、macOSに4種類あります。

ダウンロードリンクは、自分の環境にあったもの選択します。確認方法を次のとおりです。
Windows
Windowsは、64bitと32bitと2種類のシステムタイプが用意されています。システムタイプはOS側で固定されています。もし、どちらか分からない場合は、次の手順で確認します。
- Start Menuを開く
- Settings(コントロールパネル)をクリック
- Systemをクリック
- 左端メニュー下部にあるAboutをクリック
- System Typeを確認する
次のリンクにて、画像付きで解説しています(別タブが開きます)。「Windows10のシステムタイプの確認方法」
Linux
Linuxは、「REAPERをLinuxにインストールする方法」をご覧ください(別タブが開きます)。
macOS
macOSには、「macOS 64-bit」「macOS 32-bit」「maOS 10.15+」「macOS ARM64(beta)」と4種類あります。使用しているOSのバージョンとCPUの種類によってダウンロードするファイルが異なってきます。どれをダウンロードするかは、次の手順で確認します。
- デスクトップ左上のApple Icon(リンゴ)をクリックする
- メニューの中から「このマックについて」をクリック
- 「概要」が表示される
- 上部にバージョン名と番号が、プロセッサに使用しているCPU名が表示される
次のリンクにて、画像付きで解説しています(別タブが開きます)。「macOSのバージョンとCPUの確認方法」
筆者の環境だと、バージョンがmacOS Big Sur (version 11.2.3)で、プロセッサがIntelでした。つまり、バージョンが10.15(Catalina)以上かつCPUがIntelなので、「macOS 10.15+」をダウンロードします。
なお、Reaperは無料で使うことができますが、本来はシェアウェアです。そのため、起動時に5秒間ライセンス購入の案内が表示されます。60daysと期限が表示されていますが、期限を超過しても使うことができます(2021-04-30)。

Windowsにインストールする
Audacity
ダウンロードしたファイルをダブルクリックします。インストーラーが起動するので、「次へ」をクリックしていきます。
心配な場合は、次のリンクにWindowsでのインストール作業の画像を載せておきますので、ご参考ください。「WindowsのAudacityインストール画面」。
macOSにインストールする
Audacity
ダウンロードフォルダに、audacity-m2cos-3.0.2.dmgというファイルがあるので、ダブルクリックします。

左にAudacityのアイコンが、右にApplicationフォルダが表示されています。左のAcudacityアイコンを右のApplicationにドラックします。これでインストールは完了です。
Reaper

Linuxにインストールする
Audacity
Linuxの場合は、公式サイトからダウンロードしてインストールする方法と、パッケージ管理ソフトからインストール方法の二通りがあります。なお、Audacityは、ソースコードからコンパイルして使うこともできます。
Reaper
シェルスクリプトからインストールします。詳細は、「REAPERをLinuxにインストールする方法」をご覧ください。
おわりに
AudacityとReaperを紹介しました。どちらも無料で豊富な機能が使えます。ここで紹介したソフトウェア以外にも様々なものがあります。使いやすいと思ったソフトウェアを使ってください。また、一つのソフトウェアに拘る必要もありません。ノイズ除去はAudacityでやって、EQやコンプレッサーはReaperで行う、といったように適宜使い分けても全く問題ありません。これはデジタルの強みです。
更新情報
- 作成日:2021-02-29
- 更新日:2021-04-19
- 更新日:2021-04-30